質量分析装置(ESI-TOF-MS)による精密質量測定支援

質量分析装置(ESI-TOF-MS)による精密質量測定支援

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支援事例

質量分析装置を利用して、分子量1000付近までの有機化合物、金属錯体化合物、生体分子の分子量測定および精密質量分析(HRMS)が可能であり、化合物の同定やペプチドの配列決定、未知化合物の構造決定などの支援が可能である。

質量分析は分子性化合物の試料の分子量を測定する基本的な方法である。その中でも、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法を用いた質量分析では、溶媒に溶かした試料を高電圧のキャピラリーに導入し、噴霧することでプロトン化イオンなどのイオン種を生成させ、これを飛行時間型質量分析計(TOF-MS)によって質量を決定し、マススペクトルを取得する。一価イオンのみならず多価イオンやフラグメントイオン等も検出される場合があり、既知物質や未知物質の分子量に基づく構造確認に加えて物性評価にも欠かせない技術である。

特に、ESI法は比較的マイルドなイオン化法であるため、熱不安定物質や難揮発性物質の測定も可能である。また、多価イオンが生じやすいため、ペプチドやタンパク質などの高分子量の試料の計測にも優れている。
本学の測定装置は、TOF-MSの特徴である高感度・高分解能・高質量精度を活かし、簡便な操作で微量成分の分子量測定が可能である。さらに、HRMS測定により、合成試料の同定や分子式の推定、安定同位体の存在比確認も可能である。また、ESI法の特徴を活かし、タンパク質をトリプシン等で断片化し、断片化したペプチドの分子量からタンパク質の配列解析も可能である。

担当者

本設備は試料溶液の調製のみで測定可能な利用しやすい装置であり、測定に習熟した学生によるスーパーユーザーによる基本的な技術指導により簡便に基本的な分子量測定とHRMS測定が可能となる。ESI法では、試料の溶液を導入する必要があり、溶解度や溶媒の種類で、さらにはイオン化のしやすさによって、観測の難易度が変わってくる。そのため、イオン化しにくい試料の場合は、溶媒の検討や装置の詳細な設定が不可欠である。本支援では、測定経験を踏まえ、試料に応じた溶液の調整方法やイオン化電圧等の装置設定についての技術相談も行い、精密なマススペクトルが得られるように支援を行う。
  • 平野誉

    基盤理工学専攻

使用設置