核磁気共鳴(NMR)法による分子構造解析

核磁気共鳴(NMR)法による分子構造解析

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支援事例

核磁気共鳴NMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置は、原子核を静磁場の中に入れラジオ波を照射し核スピンの共鳴現象を観測することで、物質の分子構造を原子レベルで解析したり、物質内における原子核レベルでの運動状態などを解析するための装置である。

分子構造を原子核レベルで解析する分析装置としては、他に電子顕微鏡、X線回折装置、質量分析計などがあるが、NMR装置は基本的に測定試料を非破壊で分析できる。
一般的には、複雑な有機化合物の化学構造の決定(H、C、Nなどの結合状態、隣接原子との関係などが分かる)に用いられ、最近ではNMRイメージングがMRIとして医療分野で画像診断に欠かせない装置となっている。
また測定試料の前処理も他の分析装置に比べ少なくて済むという利点がある。その応用分野は製薬・バイオ・食品・化学だけでなく、有機ELや電池フィルムなどの新しい分野にも活用されており、最先端の科学技術分野で欠かせない分析装置である。

本学のNMR装置は日本電子のECA500(溶液専用)で、オートーチューンNMRプローブを有しており、15Nから31Pまでの原子核について、室温シム調整、静磁場ロック、プローブチューニング、NMR測定、データ処理の一連の流れを全自動で行うことができる。
さらにオートサンプルチェンジャが付属しており、24本のサンプルについて自動でサンプル交換を行いながらのNMR測定が可能である。

エチレンジアミン四酢酸鉛錯体(EDTA -Pb)のHMQC 2次元NMRスペクトル。重原子Pbと結合したEDTA分子の1H核と13C核が、Pb原子のスピン軌道相互作用による相対論的効果によって、特殊なスピンスピン結合状態となっていることがわかる。

担当者

ARIM事業においては、1次元のNMR測定の支援のみならず、HMQC、HMBC、COSY、NOESY等の基本的な2次元NMR測定、さらには緩和時間測定についての技術的支援を行っている。
またARIM事業では技術相談のサービスが用意されており、複雑なスペクトルのデータ解析に関しても、生命有機合成化学を専攻とする教員に相談することができるようになっている。
  • 桑原大介

    研究設備センター

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